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前 芸術監督・常任指揮者 ステーファノ・マストランジェロ
           M.tro Stefano MASTRANGELO

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 現在人口4万人足らずのイタリアの小さな街、スポレート。
そこでは毎年6月下旬から7月上旬にスポレート音楽祭(ドゥエ•モンディ祭ともいう)が開催されている。この音楽祭は1958年、ローマ時代の劇場や多くの遺跡があることから藝術祭の開催地にふさわしい場所として、イタリアの作曲家ジャン=カルロ・メノッティ氏(2007年他界)によってスポレートが選ばれ、今では世界から注目される重要な文化行事となっている。
 また、スポレート実験歌劇場では若手オペラ歌手の発掘と育成を目的とし、輩出された歌手たちは現在世界各国で活躍し、グローバルなオペラ歌手の登竜門として名高い評価を得ている。

 私の想いは、日本を始め世界の主要都市や地方都市における音楽文化のレヴェルアップと藝術的な国際交流を軸として、イタリア総合藝術であるオペラ、そしてオーケストラの技術向上•育成•発展、また公演や講習会等を通してレヴェルの高いクラシック音楽を演奏者、観客とともに共有•共感し、その空間藝術の素晴らしさを伝えるとともに、そこにそれぞれの独自の文化として定着されることである。

 先に述べたスポレート音楽祭のように、熊本を “世界のKumamoto” に発展させることに、私の持つすべてを捧げたい。熊本には日本一の名城があり、400年もの歴史があると聞いている。そしてそれを誇りとして大切にしている歴史ある街で、異文化のオペラを上演することは大変意義深いものである。そして、それが熊本の独自の文化として育まれることは何と素晴らしいことか!
 “世界のKumamoto” など難しいことに想われるかもしれないが、皆が止むなき成長を続ければ夢物語ではなく現実となり得るであろう。そのためには様々な協力者も必要である。実際に演奏する方々はもちろんのことであるが、演奏以外の協力者、支援者や観客もとても重要である。在熊のオペラ歌手であり、ラスカーラ・オペラ協会の岩本貴文代表とともに、5年計画で推し薦めていく考えだ。
まず私達が取り組むべきことは、真摯にオペラと向き合える環境を整え、実践し、世界水準のオペラを上演することである。


ラスカーラ・オペラ協会代表 岩本 貴文

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 2007年設立したオペラ専門の合唱団で前身の「コラーレ・ヴェルディkumamoto」、そして2009年に設立した「熊本オペラ管弦楽団」とで2010年2月に初めてのオペラ主催公演をしました。それがG.ヴェルディ「OTELLO」公演でした。
その後、「ヴェルディ・レクイエム」公演を経て、2011年1月に合唱団とオーケストラを統合し、「ラスカーラ・オペラ協会」を設立しました。
新たに後援会も設立され、KKT くまもと県民テレビ様が社内に後援会事務所を置いてくださる運びとなりました。
当時の会長でありました西野 正夫様をはじめ、前会長の松本 正樹をはじめ「KKT くまもと県民テレビ」の方々に深く感謝申し上げます。

 その第1回公演から熊本の演奏家が音楽作品と真摯に向き合い、歌手、そして楽器奏者がともに成長してより良い公演を重ねていくという私たちの趣旨のもと、イタリアの指揮者、ステーファノ・マストランジェロ氏に芸術監督・常任指揮者にご就任いただきました。
 5年の歳月が流れ、マストランジェロ氏からイタリアの伝統的な音楽スタイルを学び、またオペラの奥深さ、そして皆で力を合わせて大きなものを創造していく力と楽しさなど数多くを学びました。
私たちをここまで牽引し、成長させていただきましたこと、団員一同心から感謝しております。
そしてお教えいただいた貴重な経験は、私たちの音楽に対する礎となり後世にまで引き継がれることでしょう。
 この5年間に、マストランジェロ氏はイタリア政府より「文化勲章」を受けられ、どもも2012年にオペラ「マメーリ」公演にて 第53回 熊本県芸術文化祭奨励賞、そして2013年にはオペラ「アイーダ」公演にて 第1回 熊本芸術文化学術振興財団より奨励賞を拝受しました。マストランジェロ氏をはじめ、ご支援・ご協力いただいております皆様方のおかげと心から感謝申し上げます。

 2015年4月より、新しい指導者として、イタリア人指揮者のマルコ・ティトット (Marco TITOTTO) 氏が就任されました。
マストランジェロ氏と同じく世界でご活躍の指揮者で、テレーザ・ベルガンツァやレナート・ブルゾンなど世界トップクラスのオペラ歌手との共演もされている、これからもますますの活躍が期待されている方です。
このような素晴らしい芸術家を招くことができますのはとても幸せなことです。

 これまでの5年間はマストランジェロ氏にイタリアの伝統的な音楽スタイル、そしてオペラへの取り組みをお教えいただき勉強してきましたが、これからはそれを自分たちのものとしていく時期、そして発展させる時期に入りました。


 ラスカーラ・オペラ協会は、さらなる発展を遂げるため新しい時代を拓きます。



 今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

2016年7月1日